MOBILE FIELD DESIGN
自走式畑
デザイン学科
動いて、耕す。
――畑にも、居たい場所がある。

畑は動かない。
農業では長い間、それが当たり前でした。
日当たりが悪くなったら。雨が多すぎたら。風が強くなったら。人間なら、もう少し快適な場所へ移動したくなります。
ならば、畑だって
移動してもいいのではないか。
周囲を観測・判断し、より栽培に適した場所へ自ら移動する「自走式農地(Mobile Agricultural Field)」を研究・設計・社会実装します。
AUTONOMOUS FIELD
農地自身に、
環境を選ばせる。
農学・ロボット工学・都市工学・行動分析を融合し、「畑が自分でなんとかする農業」を目指します。
自走式農地の仕組み
居場所を決める
ゆっくり移動
普通に育てる
「なんとなく居心地センサー」は原理不明ですが、搭載すると滞在場所が妙に自然になります。
主な研究テーマ
太陽追跡型農地研究
朝は東、昼は南、夕方は西。午後に畑が西側へ集中する「夕方畑渋滞」の経路分散を研究。
日照最適化雨天回避型農地研究
雨雲レーダーと連動して軒下へ避難。初期型は学生がじょうろを持っただけで逃げました。
水やり識別中強風避難アルゴリズム
建物の陰へ自主避難し、ときには他の畑の後ろへ隠れる「農地間相互防風行動」。
集団防災悪路走行型農地研究
砂利・芝生・傾斜へ対応。軽トラックより段差に強いモデルもありますが、速度を出すと土がこぼれます。
走破性優先超低速徘徊型農地研究
一日数cmだけ移動する省電力モデル。一週間後には「あれ、ここだった?」という場所にいます。
家庭用人気代表的な自走畑モデル
Type-SUN
日照追跡型。夕方になると強く西へ行きたがる。
実証実験中Type-SLIDE
底面スライド方式。静かにヌルッと移動する。
市販化検討中Type-HOP
跳躍型。段差に強いが作物も一緒に跳ねる。
改良中Type-CARROT
ニンジン型センサーを先頭に搭載した家庭向け。
デザイン賞受賞Type-SNAIL
一日約3cm移動する超省電力型。
家庭用実証中Type-SHELTER
悪天候時に自主避難する防災型農地。
公共施設で試験中Type-FOLLOW
登録した人間について移動する追従型。
学内限定運用Type-HOME
一定時刻になると元の場所へ戻る帰宅型。
高評価畑にも、個性があります。
同じプログラムでも、長期運用すると移動傾向に差が生まれます。研究上の名称は「移畑性向」。学生はもっと簡単に、「性格」と呼びます。
家庭用「畑ペット」
- 自分で日なたへ移動
- 夜は定位置へ戻る
- 水不足で人へ近づく
- 自分で充電器へ向かう
- 段差の前で困る
- 呼んでも基本は来ない
自走畑とキャンパス
畑レーン
人間用・自転車用・畑用に区分。最高時速2km、追い越し禁止。
農地信号
畑同士の衝突を防ぐ小型信号。初期型では人間より畑のほうが遵守。
畑置き場
正式名称は自走農地待機区域。学生は「畑駐車場」と呼びます。
畑充電所
夕方は数十台が整列。遠目には未来的で、近づくと全部畑。
動かす前に、畑を知る。
まず、動かない畑を学ぶ
栽培・土壌・植物生理。「動かす前に、畑を知れ」。
少し動かす
車輪・モーター・センサー。最初の課題は土をこぼさず50cm。
畑自身に考えさせる
自律走行・障害物回避・環境判断。「今日うちの畑どこ?」が増える。
社会の中を走らせる
都市・住宅・学校・公共施設へ導入。友人より畑と過ごす時間が長い学生も。
過去の卒業研究
教授陣
田出 走土 教授
自律移動農地工学・農地行動制御「走る畑に追いつけるか。いや、追い越す必要はない。一緒に歩けばいい。」
《田走一号》へ乗り、田植え中の水田ごと800m移動した「第一次水田走行実験」で知られます。近年は「畑は急がなくていい」と穏健に。
那野 ころ美 助教
農地姿勢制御・段差移動工学「畑が転ぶと助けたくなる。それでは研究にならないんですけどね。」
畑パルクール計画で野菜を大量脱落させ、現在は「畑はなるべくスロープを使うべき」という穏健派です。
人気授業
自走畑シミュレーション演習
VRで自分自身が畑になり、日なたを探し、雨と障害物を避けます。
畑マナー学
庭へ入らない、花壇へ根を張らない、入口を塞がない。最終試験は実技。
農地交通工学
複数農地の交通整理と経路設計。「畑の通勤ラッシュ」を防ぎます。
まず、自分の畑を探す。
「畑いた?」
「購買前にいたよ」
「ありがとう」
昼は日なたへ連れていき、夕方は研究室へ戻します。夢農学部では特別なことではありません。普通の農学部の日常です。
学科でよく使う言葉
研究対象がまだ到着せず実験を始められない。
現在地不明。GPSごと迷う場合も。
移動していた畑が定位置へ戻ること。
予定区域を許可なく離れること。畑に許可の概念はない。
人間が畑について一定経路を歩く日常管理。
好条件地点に複数農地が集中。冬の日なたで多発。
一台が動くと周囲も同じ方向へ移動する未解明現象。
学科名物イベント
自走畑グランプリ
速さ、土、作物、障害回避、ゴール時の健康で採点。歴代最遅優勝は100m・42分18秒。
ひなた争奪実証実験
複数畑を日陰へ置き、最適地点を探させる。毎年同じ場所へ集まり、その後を見るまでが実験。
超低速畑観察会
Type-SNAILを24時間観察。「さっきより2mm右にいる気がする」が最大の見どころ。
自走畑リモコン
畑を操作して太陽へ移動し、日照を確保してください。自動追尾も使用できます。
畑「GPS信号受信完了。今日はここでもいい気がしています。」
「隣のゼミまで散歩していても、最近は驚かなくなりました。」3年生
「Type-HOPは着地のたびにミニトマトが放物線を描きます。」4年生
「日照には不利でも、たぶんあの木の下が好きなんだと思います。」3年生
「機械なんですけど、毎日一緒に歩くとちょっと可愛いです。」4年生
こんな人を歓迎します。
- 植物もロボットも好き
- 歩く畑にも冷静でいられる
- GPSで野菜の位置を見たい
- 家の中を何かに移動してほしい
- 農業と機械工学を学びたい
- 畑の散歩に付き合える
- 植物のペースで考えられる
次世代の自走式農地
通学畑プロジェクト
学生と一緒に大学へ通う。駅構内の運用が最大課題。
都市巡回農園構想
昼は公園、夕方は住宅街。見つけた場所で市民が収穫。
屋上間移動農地
ジャンプ方式を断念し、現在はビル間へ橋を架ける方向。
完全帰宅型家庭農園
昼は屋外、夕方は室内へ帰る「おかえり畑」。
自走式畑研究記録
畑の現在地を確認しながら、公開準備中です。
COMING SOON
自走式畑は飼い主の顔を覚えるか
追跡継続中畑を一週間自由に歩かせてみた
追跡継続中雨から逃げ続ける畑を追跡する
追跡継続中自走畑10台を同じ部屋へ放した結果
追跡継続中日なたを巡る畑渋滞の発生条件
追跡継続中畑は毎日同じ散歩コースを選ぶのか
追跡継続中Type-HOPのミニトマト落下問題
追跡継続中畑に「おいで」と言い続けた30日間
追跡継続中一度も動かない自走畑の意思について
追跡継続中夕方になると帰ってくる畑を作る
追跡継続中畑は、動かなくても育ちます。
それでも畑自身が「もう少し日なたにいたい」と思ったとき、そこへ行ける農業をつくりたい。