PENALDENT MESSAGE / FILE 01

† 中二病学部1年 †夜鴉 カノン

YOGARASU KANON

「ここでは、“ちょっと痛い自分”を隠さなくていい。
むしろ教授が『そこをもっと掘れ』って言ってくる。」

――運命に導かれし、まだ見ぬ同志たちへ。

YEAR01ALIAS孤月の残響SEALまだ宿っていない

CHAPTER I / IDENTITY

† 罪学生プロフィール †

“真の自分とは何か”を研究する1年生。右腕には、今のところ何もありません。

氏名夜鴉 カノン(よがらす・かのん)
学年中二病学部 1年
現在の異名“孤月の残響”
異名候補数現在17個
得意分野異名、詠唱、意味深な沈黙
苦手分野人前で昔のポエムを読むこと
右腕の封印なし
本人の見解「まだ宿ってないだけ」
最近の悩み後輩候補の異名センスが強すぎる
好きな時間帯夕方から夜
好きな学内スポット第7校舎裏の階段
将来の夢まだ明かせない/ゲーム関係の仕事にも興味あり
PERSONAL STATEMENT

私は、夜鴉カノン。現在、うそこ大学・中二病学部で、“真の自分とは何か”を研究している。

……大げさでいい。
ここは中二病学部だから。

入学前の私は、「こういう言葉、なんかカッコいいな」とか、自分だけの設定を考える楽しさとか、夜に突然、意味ありげな一文を書きたくなる衝動を、なるべく見せないようにしていました。

だって普通、恥ずかしいじゃん。

「その恥ずかしさは、捨てる前に分析しろ。」入学初日、教授から

その瞬間、「ここ、ヤバい大学かもしれない」と思った。そして同時に、「私、ここ好きかもしれない。」とも思いました。

CHAPTER II / CAMPUS LIFE

† 中二病学部ってどんなところ? †

一言で言えば、みんなが自分の世界観を持っている学部です。

入学初日

「さすがに濃すぎない?」

三日後

筆箱を《月蝕収納領域》と命名。

環境って怖い。

教室には、黒いノートへ何かを書く人、窓の外を見て意味深に黙る人、右手に包帯を巻く人、普通のシャープペンを《黒穿筆・ノワールペン》と呼ぶ人がいます。

02-A

† お気に入りの講義 †

CHAPTER III / ALIAS STUDIES

† 現在の異名:“孤月の残響” †

「孤独」「月」「消えたあとも何か残る感じ」。ただし正式採用は、まだ。

CURRENT CANDIDATE

現在・第一候補

孤月の残響

「孤独」「月」「消えたあとも残る感じ」。教授陣の評価も高い。

異名は簡単に確定させるな。あとでもっと格好いいものを思いつくから。
NEW CHALLENGER
最大のライバル

“光に飢えた電柱”

新入生候補が自己紹介で名乗った異名。普通なら絶対使わない「電柱」に、“光に飢えた”が付いた瞬間、悲しい過去がありそうに見えた。

「既存の闇語彙だけが闇ではない。」夜霧准教授
時代、来てる。

CHAPTER IV / DAILY OBSERVATION

† ある日の時間割 †

深淵を研究していても、昼食と課題の締切はやってきます。

闇属性語彙論

朝から「深淵」と「奈落」の違いについて議論。眠い。

黒歴史文法概論

高校時代のSNS投稿を分析。もっと眠っていたかった。

学食

友達が「生命維持の供物」と言いながら、普通に唐揚げ定食を食べる。

空きコマ

図書館で『「孤独」と「月」の共起頻度について』を書く。かなり真面目。

選ばれし者の自己紹介研究

課題は「名前を言ったあと3秒黙る」。

第7校舎裏の階段

友達と喋る。最後はだいたい、ただのお菓子の話になる。それでいい。

FRIENDS IN THE ABYSS

「群れるつもりはない。」
と言いながら、毎日一緒に昼を食べる。

入学前は全員が孤独を愛していると思っていたけれど、実際は結構みんな仲がいい。LINEグループを抜けた翌日に「必要なら戻ってもいい」と自分から言ってきた人もいます。かわいい。本人には言わない。

04-A

† 学部内でよく見る光景 †

REC.01廊下
「「……来るぞ。」「何が?」「先生。」」

普通に先生が来る。

REC.02食堂
「「今日の供物はカレーか。」」

普通にカレー。

REC.03雨の日
「傘を一瞬だけ構える。誰かと目が合う。」

静かに普通の持ち方へ戻す。

REC.04課題提出前
「「俺にはもう時間がない。」」

これは本当。

CHAPTER V / BLACK HISTORY ARCHIVE

† 捨てなかった過去の記録 †

昔の自分を、「痛かった」だけで捨てなくてもいい。

一番変わったのは、昔の自分をそこまで恥ずかしいと思わなくなったこと。ノートを読めば、今も普通に「うわあああ」とはなります。でも、そのあと少し笑えて、「この言い回し、今ならもっと良くできるな」と思えるようになりました。

昔の自分が必死に考えたものを、
全部なかったことにしなくていい。
RESTRICTED MATERIAL

カノンの黒歴史保管庫

  • 01中学時代の詩ノート × 3
  • 02自作キャラクター設定帳 × 2
  • 03異名候補一覧 × 1
  • 04終わっていない小説 × 4
  • 05「世界観設定」と書かれたUSBメモリ × 1
  • 06昔のSNS投稿
  • 07誰にも送らなかった長文メッセージ
  • 08何のために描いたのか分からない魔法陣
危険度:最高中学2年時の詩ノート 第2巻

本人:「卒業までには開く。」

05-A

† カノンに10の質問 †

Q.01本当に自分を「選ばれし者」だと思っていますか?
A.

“誰に選ばれたか”による。

Q.02魔法は使えますか?
A.

使えない。ここは普通に答える。

Q.03右腕に何かありますか?
A.

今のところ何もない。――今のところ。

Q.04一番好きな闇属性語彙は?
A.

「残響」。闇属性語彙なのかは議論中。

Q.05「漆黒」は?
A.

好き。でも便利すぎるから、最近なるべく我慢してる。

Q.06紅蓮院教授って怖い?
A.

最初は怖かった。でも普通に優しい。レポートには厳しい。

Q.07一番苦手な課題は?
A.

昔のポエム朗読。無理。いや、単位のためにやるけど。

Q.08ほかの学部へ行くなら?
A.

文学系か、ゲームや物語を作ることを学べるところ。

Q.09将来何になりたい?
A.

物語、キャラクター、世界観を作る仕事にはちょっと興味がある。

Q.10夜鴉カノンは本名ですか?
A.

…………その質問、必要?(大学の学生情報には回答済み)

CHAPTER VI / FOR FUTURE PENALDENTS

† カノンのおすすめ入学準備 †

黒い服よりも、まず昔のノートと勉強道具を。

01

昔のノートを捨てない

あとで教材になる。

02

「恥ずかしい」を怖がらない

ここでは研究テーマになる。

03

異名を最低3候補考える

入学後、たぶん増える。

04

黒い服は必須ではない

本当に。普通の服の日もある。

05

包帯は強く巻かない

これは大学からも言われる。

06

ちゃんと勉強する

一番重要。教授たちは意外と厳しい。

MESSAGE TO YOU

入学前、私は「自分だけは他の人と違う」と思っていました。でも入学すると、そんな人が山ほどいた。最初はちょっと困った。唯一無二じゃないじゃん、って。

全員が違うから、
全員が唯一無二なんだ。

この学部には、格好いいことを言えば「それ、どういう構造?」と聞く教授がいる。昔の自分を恥ずかしがれば「なぜ恥ずかしい?」と聞く教授がいる。自分だけの設定を笑わず、本気で聞いてくれる友達がいる。

受験という戦いは、君の中の“真の名”を目覚めさせる儀式――と言いたいところだけど、普通に勉強もした方がいい。これは先輩からの忠告です。

それでも、君の中に誰にも見せていない世界があるなら。昔考えた技名があるなら。捨てられない黒いノートがあるなら。月を見て、ちょっとだけ何か言いたくなる夜があるなら。

ここは、案外、
君に向いているかもしれない。

「恥ずかしい自分を消すんじゃなくて、ちゃんと連れて歩けるようになる。
私にとって、中二病学部はそんな場所です。」

中二病学部1年 夜鴉 カノン

「“孤月の残響”は私が先だからね。」“次に目覚めるのは、君かもしれない。”